大判例

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東京高等裁判所 昭和43年(ネ)1738号 判決

更に被控訴人の請求にかかる弁護士費用については、現行の民事訴訟法において弁護士強制の制度が採られず、弁護士費用が訴訟費用又は執行費用に含まれていない現状のもとでは、債権者は、弁護士費用を債務者の債務不履行と相当因果関係にある損害であるとしてこれが賠償を請求することはできないものと解するのが相当である。これを本件について見るに、控訴人による本件約束手形の支払拒絶は、単なる債務不履行であって、不法行為を構成するものではないことは上述したとおりである以上、右債務不履行による控訴人の責任の範囲は、手形法第七八条によって準用される同法第二八条第一項及び第二項の規定により同法第四八条及び第四九条の定める金額に限られるのであって、被控訴人は右の限度を越えてその主張にかかる弁護士費用の賠償を求めることはできないものというべく、このことは、民法第四一九条の規定に照しても、明かというべきである。

(平賀 安達 後藤文)

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